「所感」

楽しかった。
素直にすごいと思った。
だけど、何だろう…
完全に楽しむことができた自分はいなかった。


ステージの大きなモニターにいっぱいに映し出された彼女の表情。
その真っ直ぐで力強い瞳には何が見えていたんだろう。
ひとつひとつ気持ちをギュッと詰め込んで語られる彼女の歌。
その想いはきっと力強く、それでいて優しさに溢れているんだろうな。


だけど、僕の心には届かなかった…
何故だろう?
僕が彼女の想いを受け止めるだけの力がなかったからなのか。
この自分の中に引っかかる何かが知りたい。


でも、彼女の歌に対する想い。
それは痛いほど伝わった。
彼女の瞳は今にも泣きださんばかりに涙が溢れていた。
もっと自分も彼女の歌に応えられるようにならなくてはと強く思ったそんな日だった…